2015年5月16日の第67回月例発表会(スタートアップ)において,吉村 悠(B4),岩見 泰周(B4),森本 諒子(B4),森田 健太郎(B4),大塚 俊(B4),今野 裕太(B4),山下 圭介(B4),野村 晃啓(B4),秋田浩也(B4),青野 朝日(B4)の10名が以下のタイトルで発表を行いました.

OpenFlowを利用した負荷分散伝送手法の検討(吉村 悠)

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近年,Youtubeなどに代表される,動画共有サイトの普及により,動画トラフィックが増大し,インターネット通信網の多くを占有している.さらに,これらの動画共有サイトは,解像度や1秒間に映すフレーム数の向上を推進しており,今後ますます動画トラフィックが増大し,ネットワークの遅延や障害の発生などが予想される.対応策として,ネットワークの有効利用やサーバの負荷分散が考えられるが,それらを実現する手段として,OpenFlowによる仮想ネットワーク技術が注目されている.本研究ではOpenFlowと仮想サーバ技術を用いてクライアントをサーバに見立て負荷分散を行うシステムを提案する.

Bluetoothによる室内での位置測定の精度の向上化(岩見 泰周)

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近年病院やデパートといった建物が大きくなってきており,さらに室内の構造が以前より複雑化してきている.そのため,初めて訪れる場合においては建物の入り口などに設置されている構内案内図の地図やパンフレットが必要になってくる.そして,パンフレットを持っていたとしても自分の現在いる場所をすぐに把握できず,自分の周囲の状態とパンフレットとを照らし合わせる作業を強いられ,その結果自分の位置を把握するだけに大幅な時間をかけることになるということが多々ある.このように建物内にいる自分の居場所をすぐに把握できるようにするためには,室内における位置測定を実現するだけでなく,位置測定の精度を向上することが必要であると思う.そこで本研究では,この問題点を解決するためのシステムの実現を目指す.

iBeaconを利用した位置情報によるVPN認証手法の提案(森本 諒子)

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家にいるとき,社内にいるとき,などユーザがVPNを使う状況は様々ではあるが,その場所は一定であることは多い.自宅にいる際に社内のネットワークに接続したいとき,自宅のビーコンが端末を認証し自動的にVPNを通じて社内のネットワークへの参加を許可することができれば,ユーザの負担は減る.本研究ではユーザが使いたいときに必要な期間だけ動作する個人のVPNを,ユーザの位置情報により簡単で安全な認証を基にVPNを構築するシステムの実現を目指す.

指輪型デバイスとスマートグラスを用いたAR情報の効率的操作(森田 健太郎)

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スマートフォンやタブレット等の携帯型デバイスが広く普及するにつれ,最近では拡張現実(AugmentedReal-ity:AR)の技術を利用したアプリケーションもしばしば見られるようになった.スマートフォン等に搭載されているカメラを使用し,画面上に情報を映し出す手法が多く見られている.指輪型ウェアラブルデバイスとスマートグラス,そして赤外線LightEmittingDiode(以下,赤外線LED)とInfraredRayセンサ(以下,IRセンサ)を用いる事で指を仮想的なマウスとして認識する.これにより,従来では実現不可能であったハンズフリーでの仮想キーボードによる文字入力,そしてジェスチャー機能を同時に実装することが可能である.

遠距離生活における家族間コミュニケーションの支援(大塚 俊)

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最近,「孤独」という言葉が頻繁にメディアに出てくる.一般的な孤独はもちろん,老老介護の果ての孤独死や,「おひとりさま」と呼ばれるキャリアウーマンなどである.これらのように,孤独といっても様々な形態が存在するが,その中でも単身赴任という状況に注目すると,現在,日本において単身赴任者は2012年の時点で99万人と10年前に比べて約2割増えている1).そこで,本研究では遠距離で生活をしている家族間のコミュニケーションを支援し,より現実的なつながりを感じることができるシステムを提案する.

パケット認証を用いたトラフィック問題の回避手法の提案(今野 裕太)

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現在,我々の生活にインターネットは欠かせないものとなっている.インターネットを用いた買い物,連絡手段としての利用,ニュースサイトの閲覧などはもはや私たちの生活の一部になっていると言えるだろう.またそれに伴いスマートフォンの普及などを始めとして1),今日の通信のトラフィック量は増加の一途をたどっており,今後もこの傾向は継続していくものと考えられる.一方使用できる帯域には限りがあるために,今後ネットワーク設備の輻輳が頻繁に起こってしまう問題が考えられる.そしてこの問題に拍車をかける代表例としてDoS(DenyofService)攻撃が考えられる.DoS攻撃とは,大量のデータや不正パケットを送りつけることによって,攻撃対象のシステムがサービスを提供できないようにしたり,システムそのものをダウンさせたりするものである.その際に大量のパケットが流れるため,帯域幅のリソースを消費してしまい,通常の通信サービスの享受が困難になってしまうことが考えられる.そこで本研究では,認証されたパケットを優先的に通すことによって,DoS攻撃を始めとした現在のネットワークトラフィックの問題点を回避するシステムの実現を目指す.

クラウドを用いたID3アルゴリズムによる車両衝突回避システムの提案(山下 圭介)

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近年,富士重工業(スバル)が約25年の歳月をかけて開発した運転支援システムアイサイト1)を代表してスマートアシストやクルーズコントロールなど自動車の衝突を予知し,回避するシステムが多くの自動車に搭載され利用されている.これらのシステムの出現により,2014年度の交通事故による死亡者数は4,113人で14年連続の減少となり,発生件数及び負傷者数も10年連続で減少した2).しかしこの4,113人という死者数は決して少ないわけではなく,事故が発生する主な要因として,運転者の不注意などに加え,夜間の運転,雨による視界不良,路面の凍結によるスリップ事故など外部環境が原因となる事故が挙げられる.またこれらの外部環境に対応した自動車の事故防止システムは,まだ実用化には至っていないのが現状である.そこで,クラウドを用いて天候や路面の状況等の外部環境データを取得し,外部環境データからその場の最善の衝突回避方法を選択し実行する,またクラウドでは追いつかないほどの緊急性を要する衝突の危険が迫っている場合には,早急に衝突回避の判断を下すことが可能な決定木アルゴリズムによる車両衝突回避システムを考える.

LTEテレマティクスを用いた位置情報利用型車車間通信(野村 晃啓)

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近年,知的交通システム(ITS)の研究において,道路交通の安全性や効率性,快適性の向上を目指す通信ネットワークに関する検討が進められている.また特に,車両間で通信を行う車車間通信では,VehicularAdhocNetwork(VANET)と呼ばれる通信ネットワークが有力な方式とされている.VANETは,インフラ資源を用いずに自立的にネットワークを構築することが可能である.一方でGPSの普及によって位置情報取得技術が発達し,位置情報が様々な分野で積極的に利用されている.VANETにおいても同様に,位置情報を利用したルーティング手法に関する研究が多く行われている.また近年,自動車などの移動体に通信システムを組み合わせてリアルタイムに情報サービスを提供する,テレマティクスと呼ばれる技術が注目されている.本稿では,VANETにおける位置情報を利用したルーティング手法に焦点を当て,LTE(LongTermEvolusion)の広域・高速通信を生かし,各車両の位置情報をサーバに収集するテレマティクスを用いた効率的な車車間通信の手法を提案する.

従来の家電とスマート家電との協調支援システムの研究(秋田浩也)

( D&D 可 )
近年,スマートフォンやタブレット端末による,家電機器の操作が実用化されつつある.スマートフォンひとつで,エアーコンディショナー(エアコン)や照明,音楽機器といった家電すべてを操作することが可能になってきた.さらに,ホームネットワークとして,パソコン内の動画をテレビで見るといった,家庭内でのコンテンツの共有も行われるようになってきた.現在のホームネットワークでは,インターネットに接続不可な従来の家電と,スマート家電と呼ばれるネットワークに接続可能な家電との協調ができない.理想的なホームネットワークを構築するためには,従来のインターネットにつながらない家電と,今後普及するであろうスマート家電とを結び,かつ適切に調整する技術が必要になる.そこで,本研究では従来の家電とスマート家電とを協調させるホームネットワークのシステムを提案する. 

HMDを用いた直感型ARナビゲーションシステム(青野 朝日)

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近年,スマートフォンやヘッドマウントディスプレイ(HMD)の普及に伴い,拡張現実(AR)技術を用いた道案内のシステムが開発されている.スマートフォンによるナビゲーションは,特に発達し,歩行者が行き先を選択してスマートフォンをかざせば道筋がARによって光っているように見えるためユーザは直感的に目的地まで向かうことが可能である.しかし,片手がふさがる上,端末を街中でかざすという行為には抵抗がある.一方,HMDはメガネ型端末でウェアラブルであり,両手がふさがっていない上周囲の情報が常に見えているため,安全性にも問題がない1)2).HMDの既存のARナビゲーションシステムは,主に矢印で進行方向を表すものや,目的地までの距離を示すことで案内を行う.しかし,既存の提示方法では,現実空間の奥行きや道が判断しにくい.同じ進行方向に分岐点があった場合に,本来の目的とは異なった方向に入ってしまう可能性がある.本研究システムでは,屋外での利用を想定し,こういった状況をなくすために,HMDを通してARで表示されたアバターがユーザの前を歩き,目的地へ向かう直感型ARナビゲーションシステムを提案する.