2015年8月19日の第70回月例発表会(研究室合宿@リトリートセンター)において,山下 圭介(B4),青野 朝日(B4),秋田 浩也(B4),岩見 泰周(B4),今野 裕太(B4),森本 諒子(B4),森田 健太郎(B4),野村 晃啓(B4),吉村 悠(B4)の9名が以下のタイトルで発表を行いました.

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データマイニングによる大学進学支援システムの提案(山下 圭介)

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景気回復の影響を受け,2015年度の大卒就職内定率は80.3%を記録し,11年の大震災以降,大卒の内定率は上昇し続けている.1)しかしその一方で,大学の留年率は依然として高い水準を維持しており,同志社大学の理工学部の留年率を例にとりあげると08~11年度の割合を平均すると22%を記録している.2)大学生が留年する一般的な要因として学生生活の過ごし方,就職難などが挙げられるが,高校生の時に思い描いていた大学生活との不一致や,大学の学部や学科の学習内容の理解不足による勉強意欲の低下など,進学前の学生と大学とのマッチングができていないことが留年を引き起こす原因と考える.そこで,本研究では大学進学を志望している学生を対象に,データマイニングを用いて過去に志望の大学に進学した学生はどのような人物が多いかをモデル化することで,大学とのマッチングを図ることを目的とする.

ROS通信機能を利用したダイナミックマップ表示機能の実現(青野 朝日)

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近年,自動車にカメラやGPS,レーザーセンサー等の多彩なセンサーを搭載することで自動運転システムを実現する研究が進められている.このセンサーからどのような情報が得られているのか,外部のコンピュータなどの端末を用いて,地図上にリアルタイムに車両や歩行者を表示させるアプリケーションがある.既存の物は,車両内のコンピュータが得ている情報を同じネットワーク上でそのまま外部に送信している.しかし,自動運転システムには様々なセンサーや制御情報を伴うため,そのまま受信していると情報に時間のズレが生じるなどの問題が発生する.そこで,情報通信にRobotOperatingSystem(ROS)を用いる.元々,ロボットの制御を行う通信プラットフォームであるが,センサーや制御情報を送ることも可能である.自動運転システムが発達するにつれ,自動車が自律思考型のロボットになっているのは明確である.このことからもROS通信を用いることは合理的だと言える1).本稿ではROSの通信機能を利用し,車両内のコンピュータから得られた自車位置及び,周辺環境情報(歩行者や他車両がどこにいるかの位置情報)を元に,車両や歩行者データをダイナミックマップに表示させることで,表示機能の拡充を行う手法を提案する.

ホームネットワークにおける家電協調支援プラットホームの提案(秋田 浩也)

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近年,スマートフォンやタブレット端末による,家電機器の操作が実用化されつつある.スマートフォンひとつで,エアーコンディショナー(エアコン)や照明,音楽機器といった家電すべてを操作することが可能である.ホームネットワークとは,「家庭内における様々な活動を支援するICTシステム」[1]のことである.節電に貢献するためのマネジメントシステムや,見守りシステムといったこともホームネットワークに含まれる.また,家庭内のLocalAreaNetwork(LAN)もホームネットワークと呼ばれる.本システムでは,ホームネットワークにおける家電操作に着目する.現在のホームネットワークでは,インターネットに接続不可な従来の家電と,スマート家電と呼ばれるネットワークに接続可能な家電との協調ができない.本システムにおける協調とは,家電同士の情報が共有されており,効率の良い運用を行うことである.例えば,部屋にエアコンが2台あった場合,両方のエアコンが動作することは無駄である.この場合には,サーバーが自動的に1台のエアコンの電源を切るといったことが,本システムにおける家電の協調である.今後は,従来のインターネットにつながらない家電と,今後普及するであろうスマート家電とを結びつける技術が必要になる.そこで,本研究では従来の家電とスマート家電とを協調させるホームネットワークのシステムを提案する.

複数iBeaconを利用した位置精度向上の検討(岩見 泰周)

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今日,ショッピングセンターといった大きな建物や地下街において,初めての訪問者がその建物内や地下での現在地を知るためには掲示板やパンフレットといった手段しかなく,現在地確認をするのに手間がかかる.そこで,近年,iBeacon[1]という技術を用いた屋内測定手法[2]が存在する.この技術を用いれば,建物内における自分の現在地の把握に容易になると考えられるが,位置推定の精度が環境によって変わるもので,数メートルの誤差が生まれることもあり,精度が良くないという問題点がある.本研究ではiBeaconによる位置推定の精度を向上させるシステムを検討する.

パケット認証を用いたDoS攻撃に起因するトラフィック問題の回避手法の提案(今野 裕太)

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現在,我々の生活にインターネットは欠かせないものとなっている.今日のスマートフォンの普及などを始めとして,通信のトラフィック量は増加の一途をたどっており,今後もこの傾向は継続していくものと思われる.一方使用できる帯域には限りがあるために,今後ネットワーク設備の輻輳が頻繁に起こってしまう問題が考えられる.そしてこの問題に拍車をかける代表例としてDoS(DenyofService)攻撃がある.DoS攻撃により,大量のデータや不正パケットを送りつけることによって,攻撃対象のシステムがサービスを提供できないようにしたり,システムそのものがダウンさせられる.その際に大量のパケットが流れるため,帯域幅のリソースを消費してしまい,通常の通信サービスの享受が困難になるといったトラフィックの問題が発生する.そこで本研究では,パケットのヘッダ部に認証値を付加することで認証されたパケットと判断し,その認証されたパケットを優先的にルータで通すことによって,DoS攻撃に起因する現在のネットワークトラフィックの問題点を回避するシステムを提案する.

iBeaconによる利用者位置情報に基づくWeb認証手法の提案(森本 諒子)

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近年,スマートフォンの普及により,ユーザは多種多様なWebサービスを利用するようになった.その中でも,様々な方法で端末の位置認識が行われてきており,GPSやWiFiなどを用いて位置認識をすることで,ナビゲーションや新たなWebサービス,アプリケーションの構築が可能となった.例えば,Web上の地図を用いた道案内であったり,特定の場所から利用できるサービスの展開であったり,位置情報を用いたゲームなどその応用は多岐に渡る.しかし,位置認識の正確さは問題となっている.現在は,屋内の位置測定などはできず,大まかな位置しか測定できないことから,今後のアプリケーションの発展において,位置情報の正確性の向上は必要になる.また,近年多発している個人情報の漏洩や第三者による不正侵入などの問題があり,Webサービス利用時のセキュリティが求められている.現在様々な場所でiBeacon[1]が設置されている.iBeaconは,Apple社が公開しているiOSの位置情報サービスを拡張する技術である.BluetoothLowEnergy(以下BLE)と呼ばれる低消費電力な近距離無線通信を可能とする.応用例として,日本ではタクシーにiBeaconを搭載し,乗車中にスマートフォンに動画広告を配信するというサービスの実証実験を日本交通が始めた.他にも,チェーン店を展開する企業が,ポイントの付与やクーポンの配信に活用するといった事例がある[2].このように,iBeaconの普及が拡大し,特定の場所から利用できるWebサービスやそれを利用するユーザが増えている.本研究ではユーザの位置情報に応じてWeb認証を行う手法を提案する.ユーザがいる場所をiBeaconの電波を受信したスマートフォンまたはコンピュータにより判定し,Web認証の代わりとして利用する.

赤外線を利用したトラッキングによる指動作認識システム(森田 健太郎)

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スマートフォンやタブレット等の携帯型デバイスが広く普及するにつれ,最近では拡張現実(AugmentedReality:AR)の技術を利用したアプリケーションも見られるようになった.スマートフォン等に搭載されているカメラを使用し,画面上に情報を映し出す手法や,スマートグラス等のウェアラブルデバイスを用いてAR情報を映し出す手法等がよく用いられている.AR情報の表示に関しては,ナビゲーションシステムやAR年賀状等,身近なものに利用されている一方で,表示されたAR情報に対する操作法は確立されておらず,研究段階にあるのが現状である.スマートグラスに表示されたAR情報を操作する方法として,ジェスチャー認識を利用する手法,音声認識を使用する手法,専用コントローラを使用する手法等が存在する.本研究では,赤外線LightEmittingdiode(赤外線LED)とComplementaryMetalOxideSemiconductorセンサ(CMOSセンサ)を使用し,赤外線光源をトラッキングする事で指の2次元座標情報を得て,文字の描画や,AR情報の操作が可能になる手法を提案する.

移動体通信を併用した位置情報管理に基づくVANET性能の向上(野村 晃啓)

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近年,知的交通システム(ITS)の研究において,道路交通の安全性や効率性,快適性の向上を目指す車車間通信に関する研究が進められている.また車車間通信では,接続された車両のみで構成される自律分散型ネットワークであるVANET(VehicularAdhocNetwork)がインフラ設備を必要としないネットワーク形態として注目されている.VANETは,トポロジーベースルーティング型と位置情報利用型に大別される.トポロジーベースルーティング型は,あらかじめ情報源の車両から宛先車両への経路を構築してデータを伝送する方式である.この方式は,VANET全体に制御メッセージの配信が必要であり,伝送効率が低下する問題がある.また,位置情報利用型は各車両がGPSから得た位置情報を利用してデータを伝送する方式である.この方式では,VANET全体への配信が不要であり,前述したトポロジーベースルーティング型に内在する問題を緩和する可能性があり,VANETにおける有望なアプローチであると考えられる. 本稿では位置情報利用型の通信プロトコルをベースに,移動体通信を利用し各車両の位置情報をサーバで一元管理することで,VANETにおけるトラフィック量の抑制を行う手法を提案する.

サーバー負荷情報に基づくOpenFlowを用いた経路分散方式の提案(吉村 悠)

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近年,Youtubeなどに代表される動画共有サイトの普及により,動画トラフィックが増大し,インターネット通信網の多くを占有している.さらに,これらの動画共有サイトは動画の高品質化を推進しており,今後ますます動画トラフィックが増大し,ネットワークの輻輳が起こりやすくなる事が予想される.対応策として,トラフィックの伝送経路を分散する事が考えられている.現在のOSPF等のルーティングプロトコルを用いる,一般的なIP通信網では,伝送されるトラッフィクが特定のリンクに集中する傾向があり,輻輳が起きやすくなる.経路分散を行う事でネットワークの使用効率を向上できる.本研究では,サーバからの動画トラフィック伝送において,動的なネットワークの伝送制御を可能にするOpenFlowを用いた経路分散によりネットワークの輻輳を抑制するシステムを提案する.

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