2015年9月19日の第71回研究室合同発表会(M2)において,佐々木 雅茂(M2),三村 洸揮(M2),楠瀬 適(M2),市田 智也(M2),多田 正範(M2),木村真乃介(M2)の6名が以下のタイトルで発表を行いました.

NFC接続を用いたアドホックな作業情報共有フレームワークの検討(佐々木 雅茂)

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近年,スマートデバイスが普及し,無線ネットワークの利用が高まっている1).また小学校や中学校で教具として配布されたり,企業で一斉導入されたりするなど,幅広い層のユーザがスマートデバイスを利用する機会を得ている.中でも対面式コミュニケーションを支援する場面においてスマートデバイスを活用することに注目が集まっている.これに伴い,モバイル会議22),ロイロノート3)などの会議や協働学習を支援するアプリケーションが登場している.しかし無線ネットワークが利用出来ない場面においてこれらのアプリケーションも利用出来なくなってしまうケースも少なくない.本研究では,無線ネットワークが利用出来ない場面において,NFC接続により,誰でも簡単にアドホックな端末間通信を確立し,作業情報を共有出来るフレームワークを検討する.

オンラインソーシャルネットワークからのオフラインコミュニティ形成支援システム(三村 洸揮)

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近年,スマートフォンやタブレット端末などの情報端末が普及してきており,屋内・屋外問わず,様々な場面でWebサービスを利用できるようになった.これに伴い,Facebook1)などに代表されるSNS(SocialNetworkingService)が身近なものとなった.オンラインのコミュニティが形成され,発展する機会は増えたが,そのオンラインのコミュニティは,オフラインにおけるユーザ同士の位置関係を考慮せず形成されたコミュニティで,オフラインにおいて出会いにくいコミュニティもあり,オンラインの関係はオンライン上だけの関係であることがある.このような理由により,オンラインから新たなオフラインのコミュニティを形成することは少ない.そこで,本論文では,オフラインにおける新たなコミュニティの形成を目的とする.オフラインにおけるユーザ同士の位置関係を考慮することで,オンラインの友人と出会いやすくし,新たなオフラインのコミュニティを形成させる.

車両周辺環境とドライバー状態を考慮した自動車運転モデルの検討(楠瀬 適)

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近年,自動車の制御に関する研究が数多く行われている.自動車運転において,先行車追従時の前後方向制御は基本的な運転操作の一つであり,ドライバーは多大な労力を割き,これに従事している.この前後方向制御の支援を目的として,警報,制御等の支援システムが導入されている.その例として,追突軽減ブレーキなどの運転支援システムが存在している.このような前後方向制御の支援は負荷軽減,快適性向上,安全確保の観点から着目されている.加えて,前後方向制御の介入はドライバーフィーリングとの合致が重要となる.例えば,ドライバー毎にアクセルやブレーキを操作するタイミングは異なり,予期せぬタイミングでシステムの介入が入るとドライバーにとってストレスに感じられる恐れがある.そのため,ドライバー毎の運転特性を考慮し,運転支援を適切に行う必要がある.一方,ドライバーは運転に必要な情報の90%を視覚から得ると言われている.1)そのため,運転特性は周囲の環境の視覚的変化によって影響を受けると考えられる.しかし,従来研究では,悪天候下における運転特性の変化について,十分に検討されていない.そこで本研究では,夜間や雨天時などのドライバーの視界が制限される環境において,追従走行走行時に運転特性の変化に着目した自動車運転モデルを検討する.

インターネット切断時を考慮したWeb情報共有システム(市田 智也)

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近年のスマートフォンやタブレット端末といった高性能端末の普及により,ユーザのモバイル端末の利用形態が変化してきた.モバイル端末を利用したコミュニケーションは日常生活において他者とのコミュニケーション手段として有効である.しかし,地震などの災害により被害を受けた地域では,通信インフラの破壊や災害後の混乱により,インターネットを介した通信が制限,または不可能となる.サーバを介したコミュニケーションシステムでは,通信可能範囲内に端末が存在したとしても,サーバとの接続が確立されない限り通信することができず,コミュニケーション手段として利用することができない.本研究では,災害時でも使用可能なWeb情報共有システムを提案することを目的としている.前述の災害時に通信インフラが破壊された場合や,通信事業者によるサービスを受けられない場合の孤立環境において動作する住民間でのコミュニケーションシステムを提案する.新たにアプリケーションをインストールする必要のない,Webブラウザ上で動作するWebアプリケーションとして実装し,サーバとの接続の有無に適応可能であり,孤立環境における端末同士の効率的,かつ,リアルタイムなコミュニケーションシステムを実現する.

電波強度を考慮した安定性の高い車車間通信プロトコルの検討(多田 正範)

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近年,運転時における安全性,快適性の向上を目的としたITS(IntelligentTransportSystems)の研究が進められている.中でも,車車間通信によって接続された車両のみで構成された自律型分散ネットワークVANETは,インフラ設備を必要しないネットワーク形態として注目を浴び,今後VANETを利用した多数のアプリケーションが登場していくと考えられる.VANETを利用したアプリケーションの一つに,各車両の衝突を防ぐことを目的とした安全運転支援システムが挙げられる.安全運転支援システムでは,定期的かつリアルタイムに周辺車両との情報(位置情報,速度など)共有が必要である.また,環境によって1-hopを越える領域に存在する車両と通信する場合も考えられ,1-hopを超える領域であっても効率的にルーティングを行う必要がある.本稿では,安全運転支援を考慮した車車間通信方式を提案し,低遅延且つパケット到達率の高いシステムの構築を目指す.

OpenFlowネットワークにおけるProactive/Reactive経路制御手法(木村真乃介)

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インターネット上のトラフィック量が年々増加しており,ユーザが快適にサービスを利用するための通信品質を保証するネットワーク制御が必要とされている.近年,Software-DefinedNetwork(以下,SDN)と呼ばれるネットワークをソフトウェアで制御する考え方が普及している.SDNの代表的な技術としてOpenFlow1)が挙げられる.OpenFlowによるネットワーク制御方法にはProactive型とReactive型があるが,前者はコントローラとスイッチ間の通信量増加,後者はコントローラへの問い合わせによる遅延という問題点をそれぞれ持っている.本研究では,Proactive型とReactive型の方法を組み合わせて,OpenFlowネットワーク上にあるトラフィックの通信品質の向上を目指す.