2016年2月18日の卒業論文発表会において,秋田 浩也(B4),青野 朝日(B4),岩見 泰周(B4),今野 裕太(B4),森本 諒子(B4),森田 健太郎(B4),野村 晃啓(B4),山下 圭介(B4),吉村 悠(B4),大塚 俊(B4)の10名が以下のタイトルで発表を行いました.

ホームネットワークにおける家電協調支援プラットホームの提案(秋田 浩也)

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近年ネットワークに接続できる家電が発売されている.これらの家電はネットワークに接続することで,互いの情報を共有し,互いに制御しあうといったことが可能となっている.また,ひとつの家電にさまざまなセンサーが搭載された高機能な家電の発売も行われている.しかし,搭載されたセンサーを家電単体でしか利用していないという現状がある.本研究では,他の家電のセンサーを別の家電からでも利用できるプラットホームを提案する.また,ネットワークに接続できる家電が発売される一方で,ネットワークに接続できない家電も家庭には存在するという現状もある1).将来ネットワークに接続できる家電にすべて置き換わるまでは,接続できる家電と接続できない家電が共存する状態が続く.ホームネットワークにおけるプラットホームでは,どのようにしてネットワークにつながらない家電に対応するのかも重要となる.よって,本研究では他の家電のセンサーが利用でき,さらにはネットワークにつながらない家電の制御も可能なプラットホームを提案する.

ROS のメッセージ通信を利用した ダイナミックマップの検討(青野 朝日)

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近年,知的交通システム(ITS)において,自動車の交通状況や人物の位置などの情報をマップ上に反映させるダイナミックマップの実現が進められている.既存のダイナミックマップを表示する手法1)として,複数の送信元からのデータをデータベースに格納し,アプリケーションがデータベースから複数のデータにアクセスする.アクセス数が少ないと,遅延が小さく問題にならない.今後,コネクティッドビークルと呼ばれる通信機能を搭載した車両の普及より,さらなるデータの増加が予想され,リアルタイム性が欠如してしまう.そこで本研究では,処理するデータ数が増加してもリアルタイム性を維持するために,送信機能と受信機能を独立させることにより,整合性を気にせず通信を行う,ROS(RobotOperatingSystem)2)のメッセージ通信をデータ通信に用いたダイナミックマップを表示する手法を提案する.

セントラル・ペリフェラル両モードを併用したBLE による位置精度向上手法(岩見 泰周)

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近年,建物の内部や地下街といった屋内の構造が複雑化してきており,自分の現在地や目的地までの道のりがわからないという問題が発生している.この問題を解決する方法として位置推定手法が存在する.しかし現状の位置推定手法では屋内で利用できなかったり,屋内で利用できても位置精度が悪かったりする問題がある.本研究では位置推定と位置精度を以下のように定義し,屋内における位置推定手法の位置精度を向上することを目的とする.

パケット認証を用いたDoS 攻撃に起因する トラフィック問題の回避手法の提案(今野 裕太)

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現在,私たちの生活にインターネットを利用したサービスは欠かせないものとなっている.しかし近年,大量のデータを通信ネットワークを通じて,攻撃先の通信機器に送り付け負荷を掛けることで,正規のユーザがサービスを正常に利用できない状態に追い込むDoS(DenyofService)攻撃による被害が拡大している.このDoS攻撃には攻撃の発信元情報であるIPアドレスを容易に偽装できてしまう点や,ただ頻繁にアクセスしている通信との識別が困難という点が特徴としてある.しかし,既存対策ではIPアドレスを用いてDoS攻撃の遮断を行っているので,IPアドレスが偽装された攻撃下においては効率的な対策とは言えない.そこで本研究では上記の問題を考慮し,まず事前認証という形で認証されたユーザに認証値という値を付与する.そして認証値を基に認証されたユーザの通信を優先的にルータで通すことにより,前述のDoS攻撃の特徴を考慮したDoS攻撃に起因する問題を回避する手法を提案する.

BLE を併用したデッドレコニングによる 屋内位置推定手法の提案(森本 諒子)

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近年,スマートフォンの普及に伴い位置情報の活用の需要が高まってきている.スマートフォンにはWi-FiやBluetoothなどの無線機能,またはGPS(GlobalPositioningSystem)やジャイロなどの高性能なセンサが搭載されている.そうした中で,これらを利用した実用的な位置情報を使った位置推定,案内サービスなどの提供が望まれている.まず,屋外での位置測定については,GPSの利用が広く普及している.その一方で,屋内においてはGPSの信号が届かないため,BLE(BluetoothLowEnergy)やWi-Fiを使った技術などが検討されていてるが,屋外におけるGPSを用いた位置推定ほど確立された手法はない.手法の一部として,屋内にあらかじめ設置されている無線LANインフラやビーコンを利用したもの,またデッドレコニングというセンサ情報を活用した位置推定サービスが検討されている.しかし,これらは位置推定の精度が低いため,広く普及していないということが現状である.この現状を踏まえ,本研究では屋内における位置推定の精度を向上することを目的とする.ユーザ自身のスマートフォンから得られるセンサ情報と,設置コストの低いビーコンの電波という2つの原理の異なる方式を併用することで,精度の高い位置推定を提案する.

赤外線を利用したトラッキングによる指動作認識システム(森田 健太郎)

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スマートフォンやタブレットが普及するにつれ,近年では拡張現実(AugmentedReality:AR)の技術を使用したアプリケーションが増加傾向にある.スマートフォンに付随するカメラを利用したARアプリケーションや,スマートグラスなどのウェアラブルデバイスを用いてAR技術を活用するものも開発されてきている.しかしながら,現在のARデバイス,特にスマートグラスに関しては情報を表示するものという側面が強く,表示された情報に対しての操作に関しては未だ確立された手法は存在しない.既存手法ではそれぞれメリットが存在するが,同様にデメリットも存在している.そこで本研究では,スマートグラスの操作性において,既存手法における問題点の解決を図り,スマートグラスに表示された情報に対して効率的な操作を可能とするシステムを提案する.

移動体通信を併用した位置情報管理に基づくVANET性能の向上(野村 晃啓)

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近年,知的交通システム(ITS)の研究において,道路交通の安全性や効率性,快適性の向上を目指す車車間通信に関する研究が進められている.車車間通信では,インフラ設備を必要としないネットワーク形態としてVANET(VehicularAdhocNetworks)が注目されている.VANETにおけるルーティングプロトコルとして,各車両がGPSから得た位置情報を利用してデータを伝送する位置情報利用型がある.この方式ではVANET全体への配信が不要であり,VANETにおける有望なアプローチであると考えられる.しかしUnicast型の通信方式の場合,LocationServiceを利用することが前提となる.また一方で,事故発生時に移動体通信を用いて自動的に緊急コールセンターへ通報し,迅速な援助の提供を目的としたeCall1)が注目されている.これに伴い移動体通信の車載化が進められており,移動体通信を利用した新たなサービスも期待される. 本稿では位置情報利用型のUnicast型をベースに,移動体通信を利用した新しいLocationServiceを用いることで,VANETにおける性能向上を図る手法を提案する.

NPB 順位予想によるデータマイニングアルゴリズム有効性の比較(山下 圭介)

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近年,日々増加の一途を辿る情報に対し,予期されていなかった再利用可能な知識を見出すデータマイニングとよばれる技術が注目されている1).データマイニングを行う際に用いられるアルゴリズム(データマイニングを行うための手法)の代表的なものに相関ルール,決定木,クラスタリングがあり2),これらのアルゴリズムによってデータから帰納的に規則を見つけ出す.しかし,それぞれのアルゴリズムには関係性を解釈するものやグループ化を行うものといった異なる特性をもつので,特性に合わないデータを誤って選択すると知識を見出すことができないといった問題点がある.本研究では,そのような問題点に対し各アルゴリズムの特性に応じたデータを比較検証することを目的とし,データマイニングを行うソフトウェアであるWekaを用いて,NPBの順位予想をデータの種類や数が異なるチームや個人の成績データを用いて各アルゴリズムでデータマイニング行い結果を比較することで,それぞれのアルゴリズムの特性に応じたデータの特徴の考察を行う.

OpenFlowを用いたTCPトラフィック 負荷分散ネットワークの設計(吉村 悠)

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ネットワーク上のトラフィック量は年々増加しており,中でもインターネットビデオのTCP(TransimissionControlProtocol)トラフィックはその大きな要因となっている.そのため膨大な量のTCPトラフィックがある状況下でもネットワークの輻輳を抑制する仕組みが必要となっている.しかし既存のルーティングプロトコルには特定のリンクやノードにトラフィックが集中する欠点がある.最適経路だけでなく複数の経路を使用することが輻輳の抑制に有効である.しかしインターネットは特定の時間帯でトラフィックが急増し1)バーストトラフィック2)を発生させる特徴があり,バーストトラフィックに対しても適切に経路分散できるする必要がある.そこで本研究ではTCPトラフィックを複数経路に分散させ輻輳を抑制させることを目的とする.またバーストトラフィックに対しても適切に経路分散できるよう設計を行う.

Google 検索エンジンによる 意義素を用いた検索システムの提案(大塚 俊)

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インターネット上には膨大な情報が溢れており,それらの中から必要な情報を探して入手するための手段として,検索エンジンがある.現在利用されているほとんどの検索エンジンではキーワードが一般的に用いられている.検索結果は入力キーワードに依存しているため,適切なキーワードで検索することが重要となっている.例えば,「京都で食事ができるお店を知りたい」という場合,「京都グルメ」と検索するユーザがいる一方で,ユーザによっては「京都飲食店」と検索する人もいる.このとき,知りたかった情報が「京都グルメ」の検索結果に含まれていても,「京都飲食店」の検索結果には含まれない場合があるのである.そこで,オートコンプリート1)やユーザのブラウザ操作情報を利用した検索語推薦システム2)といった研究が行われている.しかし,いずれにせよ,単一のキーワードによる検索であり,検索結果はそのキーワードに偏ったものとなってしまっている.本研究では,ユーザが入力した特定のキーワードに縛られることなく,他の関連キーワードも用いることで,ユーザが意図した検索が行えるようになることを目的とする.