2016年6月18日の第78回月例発表会において,西野 剛史(M2),長田 剛典(M2),出村 友秀(M2),鬼木 明日香(M2),川上 智史(M2)の5名が以下のタイトルで発表を行いました.

NoSQLを利用した複数視点による移動物体位置管理システムの提案(西野 剛史)

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近年,多くの公共空間に防犯カメラが設置され,日本国内では約300万台が稼働している1).防犯カメラの用途として,防犯はもちろんのこと,例えば,コンビニ・スーパーで人物追跡を行い,商品棚ごとの集客情報を解析するマーケティングにも利用され,防犯用途だけでない生産性のあるデバイスとして,認知されつつある.しかし,単眼カメラでの人物追跡の場合,視野は限られているので,広範囲な追跡が不可能である.そこで,本研究ではスキーマレス・スケーラビリティに特化しているNoSQLを利用して,物体追跡を行う複数カメラから得られた位置情報を統合・一元管理できるシステムを提案することによって,追跡範囲の拡大による一貫した物体追跡を目的とする.

スマートグラスを用いた仮想空間への手書き情報共有システム(長田 剛典)

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近年,AR(AugmentedReality)の研究が進められている.視覚的に情報を追加するという特徴から,広告やユーザ間の情報共有といった用途が挙げられる.全てのユーザで共有出来る仮想空間によって,見知らぬ人とのコミュニケーション支援となり得る.しかし,ユーザが自由に3次元空間へ情報を追加することは研究段階である.また現在,ウェアラブルデバイスの研究が進められている.中でも透過型スマートグラスは,身に着けるだけで視界に仮想空間を重ねることが出来る.モバイルデバイスでは,ARオブジェクトを表示するために,表示したい場所に向けて,モバイルデバイスをかざす必要があり,手が塞がるため操作の自由度が低下する.スマートグラスではその問題点を解決し,直感的な操作が可能となる.そこで本研究では,スマートグラスを用いた仮想空間への手書き情報共有システムを提案し,実装と評価を行う.

警告型安全運転支援システムにおける有用な警告手法の提案(出村 友秀)

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近年,高度道路交通システム(ITS:IntelligentTransportSystems)分野において,さまざまな安全運転支援システムが普及してきている1).その中の1つに,衝突回避支援システムが挙げられ,ドライバに対して警告やブレーキ補助を行うことで衝突回避を支援するシステムがある.このシステムは,カメラにより周辺車両の存在を,レーダーによりその車両との相対速度を認識することでドライバに警告やブレーキ補助を行うというものである.本研究では,このように警告によってドライバに対して安全運転を支援するシステムを警告型安全運転支援システムとする.また,車車間通信の研究も盛んに行われており,この技術の発展によって周辺車両の位置情報や周辺車両の速度情報などを共有することが可能となる.今後は,従来のカメラやレーダーによって得られた周辺車両の情報のみでなく,それらの情報も利用した衝突回避支援システムなどの安全運転支援システムが登場してくると考えられる.これにより,見通しの悪い交差点から飛び出してくる車両などカメラやレーダーからは死角になる位置にいる車両の情報も得ることができるようになり,そのような場合にもドライバの安全運転を支援できるようになる.このような情報共有に基づく警告型安全運転支援システムにおけるドライバに対する警告のイメージを図1に示す2).本研究では,車車間通信により周辺車両との情報共有が実現できたのちの警告型安全運転支援システムにおいて,ドライバの状況を考慮しドライバにとって有用な警告を行うための手法を提案する.

システム状態を考慮した駆動型ロボット向けダイナミックファイアウォール(鬼木 明日香)

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近年,インターネット通信が可能な駆動型ロボットの開発が進んでいる.駆動装置の遠隔操作が可能となることで,在宅勤務や危険地探索,遠隔手術などへの活用が期待されている.一方,通信機能の悪用による駆動型ロボットの暴走や乗っ取りが起こると人命に関わる被害へと発展するため,インターネット接続に対する社会受容性は低い1).本研究では,駆動型ロボットでのインターネット利用が,情報端末での利用とは異なる特徴を持つことを考慮して通信制御機能を構築することで,駆動型ロボットの不正遠隔操作に対する人々の不安の軽減を目指す.

車々間通信における効率的電子署名方式(川上 智史)

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近年,知的交通システム(ITS:IntelligentTransportSys-tems)の研究が活発化している.その一つとして,自動車の安全性や運転者の快適性向上を目的としたアプリケーションが登場している.アプリケーションにおいて必要なデータは,アプリケーションの多様化,高性能化により更に膨大になる.しかし,センサデータ等,車両1台で収集可能な情報は限られているため,車々間通信を用いて他車両が取得した情報を共有することで,各アプリケーションに利用できる.車々間通信を行う際に,悪意のあるデータが伝送されたり,途中でデータが改ざんされたりすると,大きな事故につながる可能性がある.そのため,発信元の真正性やデータの完全性を確認する仕組みが必要となる.また,欧州では,車両緊急通報システムであるeCall1)などの携帯回線を用いた通報システムの搭載の義務化が決定した.日本国内においても,富士通テンなどの企業を中心に試験運用が実施され2),車両への携帯回線の搭載が進められている.本研究は,車々間通信と携帯回線を併用し,携帯回線を用いて鍵交換を行うことで,真正性や完全性を保障する通信手法を提案する.