2016年9月2日の第72回研究室合同発表会(M2)において,石正 幸大(M2),出村 友秀(M2),川上 智史(M2),長田 剛典(M2),鬼木 明日香(M2),西野 剛史(M2)の6名が以下のタイトルで発表を行いました.

単眼カメラを用いた屋内通路における飛行方向制御の提案と実装(石正 幸大)

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近年,PCやカメラの普及に伴う小型化,性能向上が急速に進行し,コンピュータによるパターン・画像認識技術が,様々な領域で実用化できる状況が整ってきた.一方,空中映像撮影として用いられるドローンの分野において,前述の技術を取り入れて自律飛行の研究が盛んに行われている.ドローンは遠隔操縦,または自律式のマルチコプターのことを指し,産業・軍事用途などの様々な分野において将来使用されることが予想されている.多種多様な形状のものが開発されているが,特にドローンの小型化・高性能化の研究開発が活発に進んでいる.しかし,ドローンの自律飛行を実用化するためには,限られた計算資源や積載量などの物理的な問題点を解決する必要があり,今後ドローンの小型化と自律飛行を両立させるためには,さらなる研究実験が求められる.本研究では,小型のドローンのような特に限られた積載量の制限下において,レーダなどのセンサを用いることなく自律飛行を可能とするために,単眼カメラから撮影された画像から,屋内通路における飛行方向制御を提案する.

車両周辺環境を考慮した協調型運転支援システムの一検討(出村 友秀)

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近年,知的交通システム(ITS:IntelligentTransportSystems)の研究が盛んに行われており,さまざまな種類の運転支援システムが普及してきている1).その中の1つに衝突回避支援システムがあり,ドライバに対して警報や自動ブレーキによる補助を行うことによってドライバの運転を支援するというものである.このシステムは,車両に搭載されたステレオカメラを用いて車両や歩行者のような対象物との距離を,レーザーレーダを用いてその対象物との相対速度を認識することで実現される.このようなシステムはすでに実用化されており,交通事故を未然に防いだり,その被害を軽減することに貢献している.また,車々間通信の技術的発展により,周辺車両との位置情報や速度情報などの情報共有が可能となり,それらの情報も利用した衝突回避支援システムとして,協調型運転支援システムの登場がし始めている2).このようなシステムでは,ステレオカメラやレーザレーダのみでは得られない情報も加味した運転支援が可能となり,ドライバにとってより効果の高い運転支援が実現できると期待される.例えば,見通しの悪い交差点から飛び出してくる車両や歩行者などステレオカメラやレーザレーダからは死角になる位置にある対象物の情報も得られるようになり,その情報に基づいた運転支援を行えるようになる.

車々間通信における効率的電子署名方式(川上 智史)

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近年,知的交通システム(ITS:IntelligentTransportSystems)の研究が活発化している.その一つとして,自動車の安全性や運転者の快適性向上を目的としたアプリケーションが登場している.アプリケーションにおいて必要なデータは,アプリケーションの多様化,高性能化により更に膨大になる.しかし,センサデータ等,車両1台で収集可能な情報は限られているため,車々間通信を用いて他車両が取得した情報を共有することで,各アプリケーションに利用できる.車々間通信を行う際に,悪意のあるデータが伝送されたり,途中でデータが改ざんされたりすると,大きな事故につながる可能性がある.そのため,発信元の真正性やデータの完全性を確認する仕組みが必要となる.また,車両には,前方にある障害物を検知するためのセンサの搭載が進んでいる.センサを用いることによって,前方を走行する車両の位置情報を取得することができる.本研究は,車々間通信により受信した車両走行情報と,センサにより取得した前方車両の位置情報を併用し,電子署名の検証を行う通信システムを提案する.

スマートグラスを用いた仮想空間への手書き情報共有システム(長田 剛典)

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近年,AR(AugmentedReality)の研究開発が進められている.ARは視覚的に情報を追加するという特徴から,ARによって作られた仮想空間上で広告やユーザ間の情報共有をするといった用途が挙げられる.全てのユーザで共有出来る仮想空間によって,見知らぬ人とのコミュニケーション支援となり得る.また,仮想空間に情報を表示することで,広告が景観を損なうといった問題を減らすことが出来る.ARはカメラやセンサを備えたスマートフォンのようなモバイルデバイスと親和性が高い.また屋外でARを利用する場合,モバイルデバイスを持ち歩くことが出来るという点で,利便性が高い.しかし,モバイルデバイスでARオブジェクトを表示するためには,表示したい場所に向けて,モバイルデバイスをかざさなければならなく,手が塞がるため操作の自由度が低下する.一方,ウェアラブルデバイスが登場し,中でもGoogleGlassをはじめとする透過型スマートグラスは,身に着けるだけで視界に仮想空間を重ねることが出来るため,ハンズフリーであり,また直感的な操作が可能となる.AR技術によって仮想空間に文字や図といった情報を追加する方法として,モバイルデバイスではタッチパネルを利用したキーボード入力が一般的である.スマートグラスでは,モバイルデバイスを含めた他の機器を利用して行われている.そのため,スマートグラスのハンズフリーである利点を失ってしまう.ユーザが手書きのような自由な軌跡で3次元空間へと情報を追加することはまだ研究段階である.本研究では,スマートグラスを用いた仮想空間への手書き情報共有システムを提案し,実装を行う.

システム状態を考慮した組込みシステム向けダイナミックファイアウォール(鬼木 明日香)

近年,インターネット通信が可能な組込みシステムの普及が進んでいる.駆動装置の遠隔操作が可能となることで,在宅勤務や危険地探索,遠隔手術などへの活用が期待されている.一方,通信機能の悪用による組込みシステムの暴走や乗っ取りが起こると人命に関わる被害へと発展するため,インターネット接続に対する社会受容性は低い1).本研究では,組込みシステムでのインターネット利用が,情報端末での利用とは異なる特徴を持つことを考慮した通信制御機能を構築することで,組込みシステムの不正遠隔操作に対する人々の不安の軽減を目指す.

NoSQL を利用した複数視点による移動物体位置管理システムの提案(西野 剛史)

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近年,多くの公共空間に防犯カメラが設置され,日本国内では約300万台が稼働している1).防犯カメラの用途として,防犯はもちろんのこと,例えば,コンビニ・スーパーで人物追跡を行い,商品棚ごとの集客情報を解析するマーケティングにも利用され,防犯用途だけでない生産性のあるデバイスとして,認知されつつある.しかし,単眼カメラでの人物追跡の場合,視野は限られているので,広範囲な追跡が不可能である.そこで,本研究ではスキーマレス・スケーラビリティに特化しているNoSQLを利用して,物体追跡を行う複数カメラから得られた位置情報を統合・一元管理できるシステムを提案することによって,追跡範囲の拡大による一貫した物体追跡を目的とする.