2016年8月24日の第80回月例発表会(研究室合宿@リトリートセンター)において,木下 浩希(B4),引屋敷 愛(B4),葛谷 亮介(B4),蚊戸 洸幸(B4),杉坂 竜亮(B4),東 峻太朗(B4),阪田 大輔(B4),岡田 春菜 .(B4),長谷 錦(B4)の9名が以下のタイトルで発表を行いました.

歩行者位置情報を利用したステレオカメラによる歩行者認識精度の向上(木下 浩希)

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近年,人間の日常を支える交通分野において知的交通システム(ITS:IntelligentTransportSystem)の研究が活発化している.特に自動運転に関する研究は今後ますますの発展が見込まれ,事故の防止や渋滞緩和,無人の公共交通機関の実現など既存の車のあり方を変える可能性を持っている.自動運転では誤認識や歩行者の検知漏れなどが人命が関わる危険性があり,高い安全性・信頼性が求められる.それらを実現するためには,周囲の環境を素早く正確に把握する必要がある.現在ではカメラや赤外線センサー,ミリ波レーダーを使って周囲の情報を取得し自動ブレーキをかける自動車などが販売されている.また,通信を利用して歩行者や車両の位置情報をダイナミックマップとして共有する手法も研究されている.本研究では通信で得た歩行者の位置情報を利用し,通信で得た歩行者の位置とステレオカメラで得た歩行者の位置のマッチングを行うことで歩行者の認識精度の向上を目指す.

オプティカルフローを用いた物体追跡システムの提案(引屋敷 愛)

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近年,電子機器の小型化・高性能化に伴いドローンの普及が広がっている.ドローンは機動力を活かした上空からの広範囲な情報収集に長けており,主に空撮に用いられている.多くのものはセンサやカメラを備えており,それらを活用して周囲の安全を確認している.あらかじめルートを指定しておくことで自律飛行を可能とするものもある.今日では,ドローンを自撮りに使う人が増えてきている.図1では自撮りによって撮影した写真の例を示している.この写真を撮るとき被写体となる人物自身がドローンを操縦しているが,映像を見ずに被写体をカメラに収めることは容易ではない.さらに撮影に夢中になり周囲への危険を顧みず事故につながる可能性もある.また,このような停止している人物だけでなく,スポーツする人物や,動くモノの撮影にもドローンは使われ,ますます需要が高まっている.自動で被写体を追跡して撮影することを目的としたドローンも市場に出ている.そこで,本研究においてオプティカルフローを用いた物体追跡システムを提案する.

自動運転システム環境を想定した車両グループ化によるデータ伝送効率化手法(葛谷 亮介)

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近年,交通事故や渋滞といった自動車交通問題を解決することを目的とした自動運転システムが注目されている.自動運転システムとは,ヒューマンドライバーが運転時に行う認知・判断・操作をすべて機械が担うシステムであり,自動車交通事故の半数以上を占めるドライバーの安全運転義務違反の防止や,ロンジチュージナル制御(速度,車間距離の制御)によって小さな車間距離での走行を可能にし,1レーン当たりの交通量を増加させることで渋滞発生を抑制するというような,自動車交通問題の解決に大きく貢献すると期待されている.しかし自動運転システムの実用化にはまだまだ多くの問題があり,今すぐ実現可能というわけではない.自動運転システムでは,自動運転技術だけではなく,コンピュータによる情報処理技術への依存が高くなっていく.即ち,車両の位置情報・速度情報といった大量のデータがサーバへ送信されることになるが,ロンジチュージナル制御によって1レーン当たりの車両台数が増加しているうえに,交差点などもともと交通量が多い場所では,トラフィックの混雑による通信の遅延が問題となる1).本研究では,自動運転システム環境下(各車両の位置情報・速度情報をサーバで管理する)において,隊列走行する複数台の車両をグループ化することによって車両からデータベースへ送信されるデータ量を削減し,通信の遅延の原因となるトラフィックの混雑を解消する手法を提案する.

歩きスマホにおけるゲームプレイの危険性(蚊戸 洸幸)

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近年,従来の携帯電話より機能や性能が大幅に向上したスマートフォンという携帯端末が急速に普及してきた.スマートフォンの普及に伴い,スマートフォンを操作しながら歩く通称「歩きスマホ」が社会的な問題となっている.その理由は,歩きスマホが原因で障害物にぶつかる,車に跳ねられるなどの事故が多発しているためである.さらに,2016年7月には株式会社ポケモン8)からスマートフォン用ゲームアプリ「PokemonGO9)」が配信され,日本中でPokemonGOをしながら街を歩く人が増えたため,歩きスマホの危険性についての議論は再燃した.歩きスマホの危険性は様々なメディアで論じられ,各地で注意喚起を促す動きが行われているが,歩きスマホが原因の事故は年々増加しているのが現状である.これまで,歩きスマホが歩行に及ぼす影響についての研究や,歩きスマホの危険性については十分に論じられてきたが,その際スマートフォンで操作するコンテンツによる影響の違いについての研究はあまりなされていない.そこで,本研究では歩きスマホの注意喚起を目的として,操作するゲームのカテゴリーに焦点を当て,ゲームをプレイしているときの周囲への注意力の変化を定量的に評価する. 

スマートフォン利用ダイナミックマップのアプリケーションプラットフォーム(杉坂 竜亮)

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近年,自動車の安全運転支援に関する研究開発が盛んに行われている.自動車は刻々と変化する周囲の環境をリアルタイムに把握し,状況に応じて運転手に対し警告を発することが要求される.問題に対処する為に必要となる周囲の情報を取得する仕組みは様々あるが,現在主流となっているのはステレオカメラやレーザーレーダーを利用したものである.またそれらとは異なる手法の一つとして,図1に示すようにデータを特徴ごとに分類して管理する仕組みであるダイナミックマップの研究も進められている.このデータを組み合わせて扱うことにより,実世界の変化に対応した動的な地図情報を取得し,より高精度に周辺環境を認知することが可能となる.今後,ダイナミックマップを用いることにより,様々な運転支援が提案されると推察される.そこで本研究では,スマートフォン上にダイナミックマップを表示し,今後,需要が生まれると想定される様々な機能に対応することが可能なアプリケーションのプラットフォームを提案する.

基地局情報を利用した車車間通信セキュリティ方式の提案(東 峻太朗)

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近年,自動運転や車車間通信の研究が盛んに行われている.車車間通信には,VANET(VehicularAdhocNetwork)が様々な方式で利用されるが,最近ではLTE(LongTermEvolution)回線を用いてVANETとの複合通信[1]も考案されている.これは,クラウドを経由する車車間通信であり,道路情報・車両情報を一括管理し,リアルタイム制御を可能とするものである.しかしそれに伴い,センサの誤認識や不正なデータ転送が,クラウドを介した車車間通信に大きな影響を与えてしまう.故意な不正データの転送・クラッキング行為がここ最近で増加の一途をたどっている.道路上で事故車両を装ったなりすまし情報をクラウドに送信すると,その道を通行止めにしたり,eCall(車両緊急通報システム)により必要ない緊急車両を呼ぶことさえできる[2].車車間通信におけるなりすまし行為は,事故の誘発にも繋がり,安全運転支援を実現する上で解決すべき問題である.そこで本研究では,基地局情報・車両情報を利用し,車両のなりすまし行為に対するセキュリティ方式を提案する.

スマートグラスにおける AR を用いた音声認識結果表示手法の提案(阪田 大輔)

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近年,音声認識の研究が盛んに行われている.現在,この音声認識は身近なものとなり,iOSにおけるSiriや,AndroidにおけるGoogle音声検索で利用できるようになった.音声認識はコミュニケーション支援技術にも用いられており,認識した音声をテキスト変換することで,聴障者が視覚的に情報を入手できるようになる.既存の支援技術におけるテキスト表示は,パソコンやスマートフォン,タブレットなどの携帯端末の画面に表示するものであるが,使用できる場所が屋内である必要性や手がふさがれてしまうことから,使用場所や使用状況に制限が生じる.本提案手法では,音声認識結果をスマートグラスに表示したテキストをAR(AugmentedReality)として扱う.スマートグラスの動きの検知にジャイロセンサを用いることで,ハンズフリーで会話内容の確認を可能にし,聴障者が様々な環境で使用できるコミュニケーション支援技術を実現する.

フリック入力における個人特性を利用した認証強化方法の検討(岡田 春菜 .)

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近年,メールやインターネットショッピングなどで個人の認証にパスワード認証が使われる機会が多くなっている.パスワードを他人に知られてしまうことや,パスワードの忘却,使いまわしなど,パスワード認証の問題点が多くある.そこで,指紋や静脈など,個人で固有のものとされるものや動作で認証を行う生体認証が注目されている.スマートフォンは我々にとって欠かせない存在となっている.今回,スマートフォンで文字を入力する際の個人の特徴を用いた,新たな認証方法を提案する.多くの人が日本語入力の時にフリック入力[1]を使うだろう.フリック入力の際,どのくらい指を移動させるか,どの程度スマートフォンが動くのか,個人で違いがあるので,この特徴量を認証に使用することができる.また,スマートフォンにはさまざまなセンサーが搭載されている.そこで,文字を入力した時に関係するフリック入力の特徴量と加速度センサー・ジャイロセンサーの二つのセンサーで検知できる手の動きの特徴量により認証する. 

NFV を利用したホームネットワーク管理手法の提案(長谷 錦)

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近年,ネットワークに接続可能な家電が多く発売されている.このような家電はネットワークに接続することで,家電間で情報の共有を行い,それを用いた機器の制御などが可能になっている.機器間での情報共有や連携が多く行われるほど,生活は便利で快適なものになる.技術の進歩により,ネットワークに接続できる家電機器というものはこれからも増加する.また,映像コンテンツなどのサービスの高品質化により,ホームネットワーク内で扱う情報の量や種類は増加している.4Kや8Kといっテレビの高画質化や,ドアホンのカメラの高性能化,空調機器のセンサーの増加などにとどまらず,NASなどの記憶装置から,家中どこでも情報を受け取れるような環境になっている.ホームネットワークがより便利になっていくにつれ,ホームネットワーク上で扱う情報が複雑化し,機器ごとにQoS制御など適切な管理が必要となるが接続する機器数の増加によりその管理コストは大きくなる.NFV(NetworkFunctionsVirtualization)などに代表されるネットワーク機能仮想化技術はそのように複雑化しているネットワーク管理を自動化し,より柔軟な管理を可能とする技術として注目されている.本研究ではネットワーク仮想化技術を用いたホームネットワーク管理手法を提案する.