2017年7月15日の第89回月例発表会において,秋田 浩也(M2),吉村 悠(M2),今野 裕太(M2),森田 健太郎(M2),野村 晃啓(M2),木下 浩希(M1)の6名が以下のタイトルで発表を行いました.

宅内行動推定の精度向上を目指したデータ分析に関する一検討(秋田 浩也)

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近年IoT(InternetofThings)という技術が注目されており,家庭内にセンサーを配置しデータを収集することが可能となってきている.これにより,省エネルギーを目的とした家電制御や高齢者の見守り支援などについても研究が行われている.高齢者の見守り支援などを行うためには,対象者がどのような行動を行っているのかを認識できることが必要不可欠である.現在の行動推定に関する研究はカメラなどを利用した行動認識技術と,センサーデータを利用した行動認識技術に分けられる.本研究では,プライバシーの観点からセンサーデータを利用し行動を推定する.現在も様々なIoTデバイスが発売されており,今後もその流れは続くと考えられる.しかし,デバイスの導入は段階的に進むため,それぞれの家庭において存在するデバイスが異なり得られるデータも異なるという問題が起こる.本研究では,導入の容易性という観点から使用するデバイスを選定した.今回の限定した環境において得られたデータから推定精度を向上させるために,データ分析と考察を行った.

ユーザ利便性向上を目指したIoTのためのSDNセキュリティポリシー設定機構(吉村 悠)

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近年,情報家電などのIoTデバイスの普及が進みインターネットに繋がるデバイスの数や提供するサービスが増加し,家庭内のネットワークが複雑化している.こういったホームネットワークでは,ユーザのセキュリティ知識や意識が低いために,適切なネットワーク設定ができなかったり,IoTデバイスへの攻撃に気づかないといった問題がある.対策としてネットワーク機器がユーザの代わりに自動でネットワーク設定を行うことが考えられるが,ユーザの意図しない設定が行われたり,設定に不備があった時に気づくのが遅れてしまう可能性がある.本研究では,Software-Defined-Networking(SDN)の代表的なプロトコルであるOpenFlowを用いて,自動でセキュリティルールを作成し,それをユーザが理解しやすい形に変換したセキュリティポリシーとしてユーザに通知し,ユーザの認可を得てからネットワーク設定を行うことで,ユーザの負担を軽減しつつ動的にネットワークセキュリティ設定する機構を提案する.

論理デバイスプロキシを利用したIoTセキュリティプラットフォームの提案(今野 裕太)

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近年,IoT(Internetofthings)の発展により,今までネットワークに接続されていなかったモノが接続され,総務省が公表した平成27年度版情報通信白書によると,2020年には500億台以上のIoTデバイスがネットワークに接続される見込みである1).あらゆるモノがIoTによりネットワークに繋がることで,情報流通を促進しビッグデータを収集,解析が行われることに加え,ローカルネットワーク内においても,今後様々なIoTデバイスの登場により,今まで相互接続されていなかった機器同士が接続されると考えられる.以上のような変化により,様々な課題の解決や新たな価値の創出が今後期待される.一方でIoTデバイスは一般的なPCなどの既存の機器と比較すると,CPU等のリソースを多く持たないという特徴がある.特にセンサーなどの小型デバイスになるとその特徴は顕著になり,暗号化等のセキュリティ対策の適用は困難であると言える.

指動作認識を利用したスマートグラス上のユーザインターフェイス操作(森田 健太郎)

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スマートフォンやタブレットが普及するにつれ,近年では拡張現実(AugmentedReality:AR)の技術を使用したアプリケーションが見られるようになった.主な利用例としては,目的地までのナビゲーションシステム,ARマーカーを利用した観光地や施設の説明,スマートグラスを利用し,ディスプレイに必要な情報を表示させることで,医療現場や工場現場においての作業のサポート等が挙げられる.しかしながら,現在のARデバイス,特にスマートグラスに関しては情報を表示するものという側面が強く,表示された情報に対しての操作に関しては未だ確立された手法は存在しない.既存手法にはメリットが存在するが,同様にデメリットも存在している.そこで本研究では,スマートグラスの操作性において,既存手法における問題点の解決を図り,スマートグラスに表示された情報に対して効率的な操作を可能とするシステムを提案する.

VANETにおけるRSSIを考慮したルーティング手法の検討(野村 晃啓)

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近年,運転時における安全性,快適性の向上を目的としたITS(IntelligentTransportSystems)の研究が進められている.中でも,車車間通信によって接続された車両のみで構成された自律型分散ネットワークVANETは,インフラ設備を必要しないネットワーク形態として注目を浴び,今後VANETを利用した多数のアプリケーションが登場していくと考えられる.VANETを利用したアプリケーションの一つに,各車両の衝突を防ぐことを目的とした安全運転支援アプリケーションが挙げられる.安全運転支援アプリケーションでは,定期的かつリアルタイムに周辺車両との情報(位置情報,速度など)共有が必要である.また,環境によって1-hopを越える領域に存在する車両との通信も考えられる.このように安全運転支援アプリケーションでは高頻度での通信が求められるので,電波干渉が発生しやすくパケット到達率が低下する可能性がある.そのため電波干渉を考慮したルーティング手法が求められる.本稿では,安全運転支援を想定したルーティング手法を提案し,低遅延かつパケット到達率の向上を目指す.

Deep Nueral Networkにおける線形な境界数について(木下 浩希)

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近年,パターン認識の分野でDNN(DeepNueralNet-work)が注目されている.Dropoutなどの学習手法やRelu(RectifiedLinearUnit)といった活性化関数が提案されるなど活発に研究が行われている.しかし,DNNの理論的な部分については解明されていない部分が多く,精度を上げるためには手探りで実験を繰り返すしかないといった批判がされている.DNNの理論的な解析としては評価関数の勾配を調べ局所解に至らないかを分析する研究や,出力関数の複雑さを調べる研究などがなされている.また,自然界に分布するあるクラスのデータは特徴空間内で低次元の多様体を形成しているという仮説に基づき,DNNが多様体の学習を行っているという主張も存在する.本研究では,DNNの活性化関数にRelu関数を利用した場合にできるクラスの境界線について考察する.