2018年1月20日の第94回月例発表会において,秋田 浩也(M2),青野 朝日(M2),岩見 泰周(M2),今野 裕太(M2),森田 健太郎(M2),野村 晃啓(M2),吉村 悠(M2)の7名が以下のタイトルで発表を行いました.

宅内行動推定の精度向上を目指したデータ分析(秋田 浩也)

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近年IoT(InternetofThings)という技術が注目されており,家庭内にセンサを配置しデータを収集することが可能となってきている.これにより,省エネルギーを目的とした家電制御1)や高齢者の見守り支援2)などについても研究が行われている.高齢者の見守り支援などを行うためには,対象者がどのような行動を行っているのかを認識できることが必要不可欠である.既存研究では,専用のデバイスを使用して実験などを行っているが,実際の導入を考えたとき,実験データが必ずしも有用なデータとはなり得ない.本研究では,実験用のデバイスの導入容易性に着目し,実際の導入時に有用なデータを作成し,取得したデータに関して機械学習も用いて推定精度を算出する.

データフローモデルを基盤としたドライビングシミュレータ構築環境の設計と評価(青野 朝日)

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近年,複数の情報機器やセンサデバイスを組み合わせることにより,シミュレータ上で擬似的な現実の体験を行うことが可能である.このような体感シミュレータの一つとしてドライビングシミュレータが挙げられる.従来は,シミュレータ上の車両モデルを入力機器によって制御するのみであったが,周辺機器の増加により,システム構成が多様化している.しかし,今日の研究では,データの整合性や通信遅延の削減に重点を置いた研究が行われ,実験用に特化している.メイン処理部を主軸としたシステム構成はどのシステムにも共通し,システムに変更を加える場合,インタフェースに合わせた設計が必要である. 本研究では,商業用としての観点から既存ドライビングシミュレータの問題点を挙げ,提案システムにより解決する.メイン処理部を排除し,独立化したモジュール間の通信をデータファイルの送受信によって行う.入力データが出力されるまで単独で動作するモジュールを介して,一方通行で伝達される仕組みをデータフローモデルと定義し,データフローモデルを基盤としたドライビングシミュレータ構築環境を提案する.

ビーコン情報のマルチホップによるモバイル端末の位置精度向上(岩見 泰周)

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近年,IoT(InternetofThings)の普及化によって,多くのデバイスがインターネット接続できるようになっている.これによって各々のデバイス間で通信が可能となり,それを利用した新たなシステムの研究開発がなされている.その例として,宅内生活行動認識システム1)や安全運転支援システムなどがある.例にあげた宅内生活行動認識システムや安全運転支援システムでは,ユーザや周辺環境の位置情報が必要となっており,正確な位置情報を取得できないのであれば不便,危険なシステムとなってしまう.このようにシステムに悪影響を及ぼす可能性のある位置情報を取得するための方法として位置測位システムがあるが,既存の位置測位システムでは利用場所が限られていたり,位置精度が悪かったりといった様々な問題を抱えている.ここで本研究における位置推定と位置精度は以下のように定義する.

IoTデバイスの仮想化によるセキュリティプラットフォームの実装と評価(今野 裕太)

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近年,IoT(Internetofthings)の発展により,今までネットワークに接続されていなかった組み込みシステムのネットワークへの接続(IoT化)が進展している.組み込みシステムやその関連機器が繋がることで情報流通を促進し,ビッグデータを収集,解析することで今後様々な課題の解決や,新たな価値の創出が期待されている.一方で今日においても既に,ネットワークに接続した組み込みシステムを標的にしたマルウェアが確認されており,今後もこのようなマルウェアの発生が考えられることから,この分野におけるセキュリティの強化は重要な課題である.一般的に組み込みシステムは厳しい信頼性が要求される事に加え,厳しいコスト要求により必要最低限のリソースしか与えられないため,システム自体に直接セキュリティ対策を適用するのは困難である.加えてIoTの分野の特徴から,利用するデバイスに対してはリアルタイム処理,セキュリティ処理,要件変化への対応といった要件が存在しており,セキュリティの強化の際にはこれらの要件を考慮する必要がある.

指動作認識を利用したスマートグラスのユーザインターフェイス操作(森田 健太郎)

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スマートフォンやタブレットが普及するにつれ,近年では拡張現実(AugmentedReality:AR)の研究が行われている.ARの主な利用例としては,目的地までのナビゲーションシステム,ARマーカーを利用した観光地や施設の説明,スマートグラスを利用し,ディスプレイに必要な情報を表示させることで,医療現場や工場現場においての作業のサポート等が挙げられる.しかしながら,現在のARデバイス,特にスマートグラスに関しては情報を表示するものという側面が強く,表示された情報に対しての操作に関しては未だ確立された手法は存在しない.既存手法にはメリットが存在するが,同様にデメリットも存在している.そこで本研究では,スマートグラスの操作性において,既存手法における問題点の解決を図り,スマートグラスに表示された情報に対して効率的な操作を可能とするシステムを提案する.

位置情報管理に基づくDSRC/セルラーのハイブリッド車々間通信手法(野村 晃啓)

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近年,知的交通システム(ITS)の研究において,道路交通の安全性や効率性,快適性の向上を目指す車車間通信に関する研究が進められている.車車間通信では,インフラ設備を必要としないネットワーク形態としてVANET(VehicularAdhocNetworks)が注目されている.VANETにおけるルーティングプロトコルの1つである位置情報利用型では,VANET全体への制御メッセージの配信が不要であるが,Unicast配信手法の場合オーバーヘッドが大きいLocationServiceの利用が前提となる.また一方で,VANETにおける代表的な無線通信であるDSRC(DedicatedShortRangeCommunication)に加えてセルラーを併用することで,より効率的な車車間通信手法を目指す動きがみられる1,2). 本稿では位置情報利用型のUnicast配信手法において,セルラーを利用した新しいLocationServiceを用いることで,VANETにおける性能向上を図る手法を提案する.

SDNを用いたホームネットワークのランタイムパーミッションシステム(吉村 悠)

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近年GoogleHomeやAmazonEchoなどの音声により家庭内デバイスを操作する機器の登場によりネットワークに繋がる家庭内デバイスが増加し,家庭内のネットワークが複雑化している.またこういったホームネットワークのセキュリティが不十分なデバイスを踏み台とした,DDoS攻撃が発生するなどホームネットワークのセキュリティ問題へ注目が高まっている.ホームネットワーク特有の問題として,ユーザのネットワーク知識や意識が低いために,適切なネットワーク設定ができないといった事が挙げられる.本研究では,Software-Defined-Networkingを用いて,RuntimePermissionの形でネットワーク設定を行うことで,ユーザの負担を軽減しつつユーザ自身がネットワークのアクセス管理を設定できるシステムを提案する.