2018年6月16日の第98回月例発表会(M1)において,岩月 海人(M1),木村 健太(M1),中谷 要太(M1),西村 閣晋(M1),西牧 佑哉(M1),井上 綺泉(M1),英 翔子(M1)の7名が以下のタイトルで発表を行いました.

移動体の位置と速度を考慮したSDNによる無線LANの効率的接続方式のシミュレーション評価(岩月 海人)

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高機能端末の増加によりアプリケーションが必要としているデータ量も増加している.それによりLTE回線の利用がさらに増大していくことが予想され,人が集中するような場所や時間帯によっては回線が著しく混雑することが予想される.回線の混雑を回避するために各キャリアはLTEなどの携帯回線のトラフィックをWi-Fiなどへオフロードするという対策をとっている.携帯回線の周波数リソースが限られているということもあり,今後Wi-Fiなどの無線LANを活用する動きが活発化していくと考えられる.無線LANなどのカバーエリアの狭い通信方式を利用して移動体通信を行う場合,セルラ利用時と比べてアクセスポイント(AP)の切替えが頻発する.APの切替えが頻発するため,従来よりも迅速なネットワークへの接続が必要となってくる.ここでは迅速なという言葉を切替え時の通信切断時間が短いということと定義する.そこで本研究では,移動体特有のパラメータである位置と速度を考慮して接続するAPを選択し,SDN(SoftwareDefinedNetwork)を利用し,通信切断前に,次に接続するAPと情報を交換することで効率的なネットワーク接続を可能とする接続方式を提案する.

協調型自動運転の交差点通過における安全・効率のシミュレーション評価(木村 健太)

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近年,自動運転の研究開発が活発に行われ,ドライバーの役割を自動車自身が担う仕組みが進歩している.車載センサのみで収集した情報を用いて自動運転を行う場合,見通しが悪く,死角となる部分が大きい交差点を走行する際に,交差する車線に存在する車両の情報を得ることができず,出会い頭衝突事故の危険性が高くなる。また,死角となる部分の情報は交差点の手前に侵入するまで得ることができず,安全確認をする際に一時停止をする必要がある.安全や効率を向上させるために,車両ごとに得た情報を通信を用いて,周囲の車両同士が共有することが重要になる.本研究では見通しが悪い交差点を交通する自動運転車両が通信を使用する場合と使用しない場合を比較することで安全や効率にどれほどの影響を与えるかを検証する.シミュレータを用いて評価を行い,見通しの悪い交差点において,自動運転車が通信を使用した場合,安全と効率に対して一定の効果が現れることを示した.

周辺環境状況に基づく動的ポリシー設定による小型無人機の操縦支援の実装と評価(中谷 要太)

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近年,小型無人機の研究開発が進められている.将来は,工場の警備やコンサートホールでの撮影などの屋内環境での使用が期待されている.しかし,小型無人機は回転翼によって飛行しているため,操縦性が非常に不安定である.そのため屋内環境を想定すると,屋外環境を超えた物体との接触の危険性が高い.小型無人機の操縦性の不安定を改善するために複数のセンサ機器を搭載することによって安全を確保しているものもあるが,小型無人機はセンサ機器の搭載に制限があるので,センサ機器搭載による安全確保は困難である.本研究では,小型無人機の単眼カメラからの画像のみを用いて小型無人機の操縦を支援する方法を提案する.小型無人機が人物や物体を検出した際に,ポリシーを設定することでMAV操縦に制限をかける.その制限により操縦者の判断ミスであったり,操縦ミスを未然に防ぐことで,ポリシーの小型無人機操縦の支援への有用性を示した.

AR技術によるネットワーク接続機器監視手法の実装と評価(西村 閣晋)

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近年ネットワークに接続できる機器が増加している.この流れを受け,一般家庭レベルで LAN(Local Area Network) の構築がなされている.しかし,ネットワーク接続機器の情報はコンピュータ世界における仮想空間情報であるためユーザにとって直感的に理解,把握することは難しいという現状がある.本研究では,拡張現実感 (Augmented Reality:AR) 技術を用い,上記のような仮想空間情報を現実空間に落とし込むことでユーザにとって直感的に把握できるシステムを提案し,実装,評価を行なった.本論文では,フレームレートと AR マーカの認識距離の観点から実用性を示した.

移動体の電波強度を利用した歩行者の位置精度向上手法の評価(西牧 佑哉)

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近年,スマートフォンやタブレット端末の普及率の増加に伴い,それらの位置情報を利用した様々なサービスが利用されている.ナビゲーションアプリでは,自分の現在地を確認したり,目的地までの道順を調べたりでき,知らない土地でもナビゲーションアプリを利用することで自分の行きたい場所に行くことが可能である.また,歩行者と車両が通信を行う歩車間通信を用いてお互いの位置情報を交換することによって交通事故を未然に防ぐシステムもある.これらのサービスやシステム,特に事故防止のためには位置情報の精度が重要である.現在,屋外での位置情報を取得する位置推定手法としてGPS(GlobalPositioningSystem)が最もよく利用されているが,都市部や市街地ではGPS信号が周囲の建物の影響を受けて位置精度が悪くなるという問題がある.そこで本稿では,屋外において高度で安定した位置精度を実現するために,車両及びビーコンの電波強度を利用した位置推定手法を提案する.提案手法では,電波強度にカルマンフィルタを適用し,伝搬損失指数を車車間通信を用いて動的に算出する.シミュレータ評価によって既存手法と位置精度の面で比較を行い,提案手法の優位性を示した.

ARを利用した複数視点からの物体指示手法の実装と評価(井上 綺泉)

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近年,スマートフォンを利用することにより複数人で位置の共有をする研究が多くなされている.例えば,道を案内するときは携帯端末のマップから得た位置情報の共有をし,それぞれが共有したい物体を認識することができる.しかし,共有したい物体の位置に表示する目印は携帯端末の画面上のみであるため,共有する物体を探す場合は実際の景観と携帯端末を交互に照らし合わせて見る必要がある.そこで本研究では,二台のカメラを使用し,視差からカメラ画像に表示させるAR情報の位置を調節することによって複数人で対象物を共有する手法を提案し,実装,評価を行った.本研究では,提案手法をWebカメラとiPhone6sでそれぞれ実装することによって誤差の精度の比較をすることで,提案手法の有用性を示した.また,既存手法と提案手法の共有可能な対象物の比較を行うことで,位置情報の有無や,天候,屋内,屋外の使用状況に関わらず提案手法が動作することを示した.

Webダイナミックマップの構築と交通制御アプリケーションの実装(英 翔子)

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近年,ITSに関する研究開発が盛んに行われており,中でも,ダイナミックマップが注目されている.本研究では,ダイナミックマップを構築することで,走行している全ての車両や歩行者の情報を把握し,その情報を基に信号機のように交差点において進行・停止の指示を出すようなアプリケーションを開発した.このアプリケーションを用いることで,信号機が不要となり,信号機による待ち時間の問題も解決することができる.また,サーバ内部での処理時間を計測し評価を行い,処理時間が短く問題がないことを示した.