2019年4月6日の第106回月例発表会(M1)において,生駒 大志郎(M1),中川 凌(M1),廣辻 侑哉(M1),岸田 慎之介(M1),畑山 諒太(M1)の5名が以下のタイトルで発表を行いました.

車両情報プラットフォームを用いた効率的運転支援アプリケーション作成の提案(生駒 大志郎)

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近年,快適で安全な運転がますます求められており,その1つの手段として,駐車場検索アプリケーションや交通渋滞表示アプリケーションなどの運転支援アプリケーションが挙げられる.しかし,運転支援アプリケーションを作成するとなると,1つのアプリケーションを作成する毎に,車両速度超過情報や車両急発進情報を取得しなければならず,構築に手間がかかる.本研究では,アプリケーション作成で毎回必要になる車両情報をプラットフォーム化することで効率的に運転支援アプリケーションを作成できるようにした

画像認識を用いた位置推定手法の提案(中川 凌)

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近年,SocialNetworkingService(SNS),ゲームやナビゲーションシステムといった様々な分野で位置推定システムが利用されている.位置推定を活用したサービスは今後も増加すると予想される.現在,位置推定を利用したサービスの多くはGlobalPo-sitioningSystem(GPS)を用いたものがほとんどである。しかし,屋内や地下などのGPSを利用できない場所では正確な位置推定が困難である.そういった問題を解決するために,PedestrianDeadReckoning(PDR),BluetoothLowEnergy(BLE),無線LAN,二次元マーカ,特徴点マッチングなどを利用した研究がある.しかし,それらの多くはあらかじめ機器やマーカを設置する必要がある.また,特徴点マッチングによる手法では新たに機器等を設置する必要がないが,大量の風景画像をデータベースに保存しておく必要がある.本研究では,あらかじめマーカとなる対象物を設定し,それらをカメラで認識することでユーザの位置推定を行う手法を提案する.提案手法では,新たに機器を設置する必要がなくなり,既存手法に比べて事前作業を少なくすることができる.

スマートグラスを用いた視覚障碍者誘導ブロックの検知による歩行者支援方法の提案(廣辻 侑哉)

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近年,障碍者に対するバリアフリーが進められている.例えば,階段におけるスロープや様々な箇所に設けられた手すり,そして視覚障碍者誘導ブロック(以下点字ブロックとする)である.視覚障碍者のうち程度は様々であるが,日本盲人会連合によると弱視の割合が7割程度である.そのため,本研究では弱視者に重点を置く.こういった視覚障碍者を補助するものとして代表的なのがこの点字ブロックである.図1のように点字ブロックには2種類のものがある.しかし,点字ブロックは配置の影響などにより視認しくくなってしまうものもある.それを解決しようと様々な技術が考えられている.様々なセンサーを設置することで視覚障碍者の位置を特定しナビゲーションをおこなうといった技術も考えられている[1][2].しかし,この従来の視覚障碍者向け歩行支援技術は既存の点字ブロックのみを利用したものはなく,また誘導ブロックに着目したものが多く警告ブロックに着目したものもなかった.誘導ブロックももちろん重要であるが,危険であることを教える警告ブロックのほうが重要度は高い.そこで本提案手法はこういった問題点を解決するために点字ブロックをスマートグラスで認識し,警告ブロックの有無を通知することで視覚障碍者を補助する.

車両の走行状態を利用したデータ伝送効率化手法(岸田 慎之介)

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近年,ITS(IntelligentTransportSystems)において,安全性や利便性の向上ための研究開発が盛んに行われており,車両同士で無線通信を行い,車両情報(位置,速度等)を共有する車車間通信,道路に取り付けられている路側機と通信を行う路車間通信が登場している.最近ではLTE(LongTermEvolution)を利用して,車両情報をクラウドへ送信し,交通情報や車両情報を他の車両と共有する研究1)や,自動運転の要素技術2)に道路及び車両の位置が車線レベルまで特定出来る高精度三次元地理空間情報に運転をサポートするための情報(例えば,速度制限等の静的情報,事故や渋滞情報といった動的情報)を載せたダイナミックマップの研究が行われている.事故や渋滞といった道路の交通情報をリアルタイムで配信及び管理することで,事故防止や渋滞緩和の対応が容易である.しかし,交差点や高速道路,渋滞といった車両の交通量が多くなる状況では通信されるデータ量が増加し,通信遅延が生じる.通信遅延が起きることで判断が遅くなり,人身事故や車両同士の衝突事故に繋がるため,遅延の少ないリアルタイム性が必要である.本研究では,車両の走行状態を元に車両が送信するデータ量を変化させ,データ量を削減し,効率化を図る伝送手法を提案する.

協調型自動運転における,一車線高速道路合流付近の渋滞緩和手法の検討と評価(畑山 諒太)

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近年,自動運転に関する研究が盛んに行われている.自動運転には二つのシステムがあり,自律型自動運転と協調型自動運転が挙げられる.前者は,車両に搭載されたセンサで得た情報を基に行動を決定し,走行するシステムである.後者はV2X(Vehicle-to-everything)通信を用いた,車車間通信や路車間通信を利用し,走行するシステムである.自律型自動運転では必ずしも,死角などに潜んでいる情報を自身のセンサから得られるわけではないが,協調型自動運転は自身だけでは得られない情報も周辺のセンサから得ることができる.そのため,車車間通信や路車間通信などのV2Xの技術は有用性が評価され,研究が進められている.本研究では,一車線高速道路における,合流地点付近の車両の急な減速による渋滞発生の問題に着目し,協調型自動運転による問題解決を試みる.解決策として,一車線高速道路の合流における車両群の事前の加減速を用いた渋滞緩和手法を提案し,シミュレーションにて,合流地点での協調型自動運転車の協調行動を調整することによって,交通量ごとの最適な協調行動パターンを導き出す.そして,従来の手動運転と効率性を比較し,提案手法の有用性を評価する.