2019年6月15日の第108回月例発表会(M1)において,生駒 大志郎(M1),中川 凌(M1),廣辻 侑哉(M1),岸田 慎之介(M1),畑山 諒太(M1)の5名が以下のタイトルで発表を行いました.

ブロックチェーンにおけるProof of Workの51%攻撃対策手法の提案(生駒 大志郎)

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近年,暗号通貨は世界で流通し,どこにも中心を持たないP2P技術を用いた分散型の通貨として,また,法的通貨との交換価格の変動幅や交換所の破綻などの事件で注目を集めている.仮想通貨の代表としてビットコインが挙げられるが,ビットコインの実装を支えている技術がブロックチェーンである.ブロックチェーンは分散型取引台帳とも呼ばれ金融機関を介さず,ユーザ同士でシステムを管理しあう構造を取り,ブロックチェーンを支える技術である図1のように,報酬を得るためにマイナーが電力を消費し,計算することで新しいブロックを作成する技術である,Proof ofWorkによる改竄の困難性や非中央集権性から様々な分野での応用が期待されている.Proof of Workは改竄が困難ではあるが,電力消費量が多いことや51%攻撃というデメリットもある.そのため,近年は,Proof of Stakeという技術が台頭している.Proofof Stakeは,PCの計算量に比例して報酬が貰えるのではなく,暗号通貨の保有率に比例して報酬が貰える.これは,より多くの保有量を持つ人が自分が大量に持っている通貨の価値を下げるようなことはしないだろうという信頼のもと成立している仕組みであり,セキュリティ面においても電力面においても優れているとされている.[2]しかしながら,Proof of Stakeは悪意のあるユーザにとって,改竄するメリットがないというだけで改竄は容易にできてしまう.利益を求めず改竄を行うユーザが現れる可能性を考えておらず,本当に安全であるとは言い難い.それに比べて,Proof of Workは,51%攻撃を除けば,事実上,改竄できないので,今後も必要となる技術であると考えられる.そこで,本研究では,Proof of Workの51%攻撃について改善することで堅牢なシステムを構築できると考えた.

車内でのスマートフォン利用が起因となる車酔い緩和手法の提案(畑山 諒太)

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近年,自動運転に関する研究が盛んに行なわれいる.車両が自動運転化されることにより,運転者は不要となり,車内環境は大幅に変わることが予想されている.そして,今まで必要だった運転者は一乗員となり,自由な時間を過ごすことができるようになり,車内でのスマートフォンの利用が増え,車酔いが増加される.車内でスマートフォンを直視すると内耳から脳に送られてくる信号と眼球から脳に送られてくる信号に不一致が生じ,脳が「異常」と判断し、自律神経が不安定になる.自律神経が不安定になった結果,吐き気や頭痛といった車酔いの症状が表れる.本研究では,車内でのスマートフォン利用が起因となる車酔いの緩和手法を提案する.車酔い緩和手法として,スマートフォン画面に車両の挙動をスマートフォン利用者にリアルタイムで提示することによって,内耳と眼球から脳に送られてくる信号の不一致を和らげる.検証方法は,被験者には提案手法を提示した場合としない場合で,車内でスマートフォンゲームを行ってもらい2パターンとも同じ走行ルートを走行し,検証する.そして,唾液による評価と実験後車酔いに関するアンケートで定量評価を行い,提案手法の有用性を示す.

SVMを用いた屋内における店舗看板識別手法の提案(中川 凌)

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近年,スマートフォンの利用率は増加を続けている.また,保有率も年代を問わず増加傾向にある.これにより,様々な場面において,スマートフォンが利用されている.現在,ユーザーが周囲の情報を入手する方法として,GPS(Global Positioning System)を用いたサービスの利用が一般的である.しかし,屋内や地下といった場所では,GPS信号が届かないことがあり,そういったサービスが利用できないという問題がある.それに伴い,屋内の位置推定手法に関して様々な研究がなされているが,いまだに最適な手法は定まっていない.ショッピングモールや地下街といった店舗が並ぶ場所において,撮影した店舗の識別ができれば,地図情報と比較することで位置推定が可能である.また,スマートフォンのカメラを利用することで,容易に情景画像を撮影することが可能であることから,画像情報を利用する.本研究では,SVM(Support Vector Machine)を用いた屋内における看板の識別手法を提案する.

走行状態を考慮した効率的車両情報送信手法の提案と評価(岸田 慎之介)

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近年,ITS(Intelligent Transport Systems)の発展により,車両が通信する技術が登場し安全性や利便性の向上が図られている.今後,車両は周辺の情報を自ら取得するだけでなく,周辺の車両やサーバと協調し,情報を取得することが重要になると考えられる.しかし,他の車両やサーバと通信する車両が増加すると通信遅延が発生し,事故や渋滞が引き起こす危険がある.そこで本研究では,走行する車両の状態によってデータを送信するかどうかを判断して,通信トラフィックを削減する手法を提案する.シミュレーション評価から,車両から送信されるデータの削減を確認することを示した.

ドローンの自律飛行において深層学習を用いた顔認識による経路制御(廣辻 侑哉)

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近年,ドローンの普及が進んでおり,将来的には配達用のドローンや美術館や博物館などでの案内用のドローンなどが移動することが予測できる.上空を飛行することで人間と衝突する危険性の低いドローンも考えられるが,屋内屋外に問わず,案内用などであれば,上空を飛行するよりも人地上1mから2m程度を飛行することが多い.その際に,ドローンと物体もしくは人間が衝突すると,物体が破損したり,人間が怪我をしたり,ドローンが故障する恐れがある.そういったことから衝突を回避することは重要である.しかしながら,一般的なドローンは稼働時間が30分程度であることから,不必要な衝突回避や経路計算をなくすことで電力の消費軽減と到着時間の短縮により,稼働距離を長くすることが求められる.そこで,本研究では,人間の,顔の向きと移動情報を認識することにより,人間がドローンを認識しているのか,経路変更しなければ衝突するのかを判断する.これによって,経路計算の回数は減り,また,衝突回避回数も減ることで実質稼働可能距離が長くなる.