2019年9月3日のFIT2019において,東山 絋樹(B4),,中井 綾一(B4),林 聡一郎(B4),田中 佳輝(B4)の4名が以下のタイトルで発表を行いました.

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コネクテッドカーと非対応車両の混在状況における交差点通過時の安全性・効率の検討(東山 絋樹)

範囲外となる死角や遠距離の情報を入手できるコネクテッドカーが研究されている.自動運転技術と通信を組み合わせたコネクテッドカーにより,安全で効率的な交通を実現できることが期待されている.しかしながら,今後コネクテッドカーが発売されたとしても,普及するまでのしばらくの期間は通信機能を有しない非対応車両も一緒に走行している状況は避けられないことが想定される.こういった状況では,非対応車両の存在も考慮する必要がありコネクテッドカー同士の情報だけでは不十分である.そこで本研究では,コネクテッドカーと非対応車両が混在する交差点において,非優先道路側を走行するコネクテッドカーが通信を用いて交差点を通過する手法を提案し,シミュレーションによって安全性と効率を検討する.

V2X通信における車両走行履歴のブロックチェーン化による位置情報偽装検知モデルの提案(中井 綾一)

近年,自動運転やV2X(Vehicle to Everything)通信の研究が盛んに行われている.V2X通信は,様々な方式で利用されており,車両の位置情報や周辺情報のリアルタイム処理を可能とする.しかし,現在V2X通信においてサイバーセキュリティに関する懸念がある.自動運転の場合,V2X通信に従って,自動車が運転判断を行うことから,攻撃者が誤作動を起こさせたい場合には,V2X通信を使った偽装行為は極めて有効である.例えば,遠隔で車両を操作し,誤った位置情報を送信したとすると,交通渋滞などを引き起こすことができる.このように,車両の偽装行為は解決するべき問題となる.また,最近では車両の走行履歴をクラウドで管理するアプリケーションが増えてきている.V2X通信でもクラウドと併用した通信が考案されている[1]ので今後も,このアプリケーションの利用が増加すると予想される.しかし,クラウドを利用したサービスでは,クラッキングやサーバがダウンした際の損害が大きいことが課題である.本研究では,車両の偽装行為の中で位置情報の偽装に着目する.そして,暗号通貨であるビットコインなどに用いられているブロックチェーンを参考にし,位置情報の偽装の検知および車両の走行履歴を保護する手法を提案する.ブロックチェーンはP2P型のネットワークアーキテクチャである.また,メリットとして,情報の分散に長けており,データの改ざんがほぼ不可能であることが挙げられる.

車両走行環境を考慮した自動運転(レベル3)段階的引き継ぎ要求の検討(林 聡一郎)

近年,自動運転システムの開発に取り組まれている.自動運転レベル3では,運転を自動運転システムで行うことができる.しかしながら,自動運転システムが動作限界に達した場合,ドライバが引き継ぎ要求(TOR:Take Over Request)に応答し,運転を引き継ぐ必要がある.そこで,本研究では,TORが発生する可能性がある時に,事前にドライバが道路に目を向けるように警告を発生させる.そして,車両走行環境を考慮し安全でドライバのストレスの少ない警告のタイミングを検証する.

ハイブリッドネットワークを利用したV2X通信の仮想化による伝送効率化手法(田中 佳輝)

近年,研究が活発に行われ,道路交通の安全性や利便性の向上が図られている.搭載されたセンサで得た情報を基に自律走行する車両やV2X(Vehicle-to-everything)通信を用いた協調型システムを実装した車両が登場している.車両同士で通信を行う車車間(V2V)通信,路側機と通信を行う路車間(V2I)通信,クラウドとの(V2N)通信など,V2X通信は自動運転の実現においても重要な役割を果たすと考えられる.しかし,V2X通信を行う車両が増加し,一定のエリアにおいて車両密度が高くなると,特に車車間通信における通信トラフィックが増え,衝突によるパケットロスや通信遅延が問題となることが予想される.通信遅延が起きることで運転者やシステムの判断が遅くなり,車両同士の衝突事故や人身事故などに繋がるため,遅延の少ない通信が必要不可欠である.そこで本研究では,セルラーネットワークと車車間通信を併用したハイブリッドネットワークにおいてV2X通信を仮想化し,自車両や周辺車両の走行状態情報に応じて車車間通信の通信範囲や送信周期を動的に変化させることで,通信の伝送効率を向上させる手法を提案する.そして,既存手法と比較して評価することで提案手法の有用性を検証する.