現在のインターネットはTCP/IPを中心にOSI参照モデルで定義されるような通信機能を階層に分割し,各ノードがそれぞれの階層において相互にエンド・トゥ・エンドの通信を行うアーキテクチャが基本となっています.しかし,クラウドサービスの登場,サーバ仮想化,スマートフォンとコンテンツの爆発的増加などの様々なトレンドにより,これまでのネットワークアーキテクチャの非効率性が問題となっています.具体的には,任意の接続距離,リンクスピード,トポロジーで,ノード間を接続するために作られたバラバラなプロトコルの集まりにおいて,それぞれ個別のニーズに応えるためプロトコルを発展させ,より高い性能,信頼性,広範囲の接続性,セキュリティを実現してきました.ところが,その都度,特定の問題を解決することを考えて作られたこれらのプロトコルは,根本的な抽象化というメリットを切り離したまま,定義されています.その結果,ネットワーク全体としてその複雑性は限界になりつつあります.

ネットワークを制御とデータ転送に切り離し,直接プログラミングが可能となる新しいネットワークアーキテクチャがSoftware Defined Networking(SDN)です.これまでは,それぞれのネットワーク機器に密結合されていた制御を,アクセス可能なコンピューティング機器へ移行することにより,アプリケーションやネットワークサービスに対して,下位層のインフラストラクチャを抽象化することで実現します. その結果,ネットワークを、論理的または仮想的なひとつのエンティティとして扱えるようになり,アプリケーションやポリシーエンジンには,ネットワークがあたかも一台の論理的スイッチのように見せることが可能です.ネットワーク全体の制御が論理的に単一地点から可能になり,ネットワーク設計・運用が飛躍的に簡素化します.また,ネットワーク機器自体も,多種多様なプロトコル規格を理解して処理しなくても,統合コントローラからの命令を受け取るだけでよくなるので,大幅にシンプルになります.